坂本弥光 15年7月12日放送
チョコレート③ ダニエル・ペーター
4大チョコレート革命の3つめは、
1876年、ダニエル・ペーターのミルクチョコレートの発明だ。
これまで香辛料のように苦みの強かったチョコレートが、
ミルクを加えることによって、まろやかな味に生まれ変わったのだ。
完成に至るまでは、長い道のりだった。
ダニエルは本来、ろうそく職人。
義父の経営するチョコレート会社の様子を見るうちに
職人魂に火が付いたのか、味の改良に取り組むようになる。
しかし、ただミルクを入れればよかったわけではない。
溶けたチョコレートに水分を混ぜると、
砂糖が油と分離するために食感が悪くなってしまう。
試行錯誤を繰り返していたダニエルは、
隣に住むベビーフード業者、アンリに相談を持ちかける。
二人は、昼夜を問わず研究に没頭。
ついにアンリがチョコレートに合う「粉ミルク」をつくり上げ、
ダニエルはミルクチョコレートを完成させるのだ。
アンリの本名は、アンリ・ネスレ。ネスレ社の創業者だ。
いまもチョコレートとコーヒ―がぴったりと合うのは、
彼らの友情の証かもしれない。