三島邦彦 15年8月15日放送

150815-01

戦争と平和 渡辺白泉(わたなべはくせん)

戦場で炸裂する爆弾。
町中に鳴り響く軍歌。
映画や小説の中の戦争はいつも、激しい音に包まれている。

そうした戦争の描き方に、
新しい表現を切り開いたのは、俳句だった。
俳人、渡辺白泉。
70年前の戦争中、こんな句を詠んだ。

 戦争が、廊下の奥に立っていた

猫のように、どろぼうのように、
静かな日常に音もなく侵入し、
いつの間にかその姿をはっきりさせる、戦争。
気づいたときには家庭の奥まで入り込んでしまっている、その不気味さ。

この一句があるおかげで、
私たちは、戦争というものの始まり方に、
あらためて注意することができる。

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