松岡康 15年10月04日放送
厚さの秘密
日本を代表する辞書、広辞苑。
その編纂者は新村出(しんむらいづる)。
明治9年の今日生まれた言語学者である。
発売から50年以上経ち
初版本から約4万語、700ページ以上も増えているが、
なんと広辞苑の厚さは変わっていない。
その秘密は一枚一枚の紙にある。
ページが増えた分だけ、紙を薄くしているのだ。
紙を薄くすれば裏の文字が透けてしまう。
それを防ぐために最新の技術で、
光を散乱させる炭酸カルシウムや
二酸化チタンを紙に漉き込んでゆく。
50年かけて進化したのは、
日本語だけではないのだ。