大友美有紀 15年12月6日放送
Alberto Carrasco Casado
「作家の犬」黒澤明のレオ
日本映画界の巨匠、黒澤明が溺愛した
セントバーナード、レオ。
遭難救助犬の習性だろうか、
パタリと倒れるとズボンの裾を引っぱって
一生懸命助けようとする。
その様子が可愛くて、子どもたちは、
ふざけて倒れて遊んでいる。
すると黒澤の雷が落ちる。
レオは真剣に助けようとしてるんだ!
ふざけて倒れるのは、やめろ!
レオの顔見たさに、仕事が終われば真っすぐに帰る。
庭で毎日のように、じゃれあって遊ぶ。
レオの自慢話になると、止まらない。
ただ、レオとって東京の夏は暑すぎた。
年老いて体力が落ちたレオを、北海道に預けることにした。
旅立つ日、セカイの黒澤の背中は、小刻みに震えていた。
日本映画界を支えた男を、支えた犬だった。