大友美有紀 16年1月3日放送
「小林一三」 宝塚少女歌劇団
明治四十三年三月、箕面有馬電気軌道の
石橋-箕面間、大阪梅田-宝塚間の二路線が開通。
当時の宝塚は、山しかない。
人は住んでいたものの
にぎやかな場所ではなかった。
創業者の小林一三は、
山奥へなんとかしてお客を引っぱり出そうと
宝塚新温泉をつくり、少女歌劇団を結成した。
初めはそんな大きな歌劇を拵(こしら)えよう
という意思は毛頭なかったのです。
ただ当時三越に西洋音楽の少年楽隊というものが
あったので、それに対して少女楽隊を作ろうという
程度だったのです。
少女楽隊をやっている間に
たまたま東京で帝劇の歌劇を見て、
うちの子たちにも、ああいった真似は出来ないものかと
相談したら、出来るというんで拵えたのです。
最初の劇場は、温水プールを改造したもの。
それが百年続く歌劇団になった。
たまたまにしては、壮大である。