渋谷三紀 16年1月16日放送
内田百間 七体百鬼園
随筆の神様、内田百間は、大の甘党。
なかでもシュークリームには、目がなかった。
「七体百鬼園」には、
やれ皮が好きだ、やれクリームが好きだと、
シュークリームの魅力を語り合う場面がある。
百間のシュークリーム原体験は、
18歳にさかのぼる。
ある夜、「シュークリームが食べたい」と
わがままを言い出した百間。
百間を溺愛していた祖母は、
いやな顔ひとつせず、買いに走ってくれたという。
祖母の手から受け取り、
すすったクリームの美味しかったこと。
シュークリームに秘められた、
シュークリームよりも甘やかな記憶。