大友美有紀 16年3月6日放送
「菊池寛への言葉」岩田専太郎(せんたろう)
文豪、菊池寛が亡くなったのは、
昭和23年3月6日。終戦からわずか3年だった。
その間、菊池が創立した「文藝春秋」は
休刊、解散の危機にあった。
葬儀の日、挿絵画家代表として岩田専太郎が弔辞を読んだ。
岩田は終戦直後、菊池にかけてもらった
「3年の辛抱だ」という言葉を忘れていなかった。
3年たちました。
私達のこれからの困難な途について、
御指示と御力添えを御願ひする時が来たのに
今私ハ先生の柩の前に立たなければなりません
何も申し上げられません
皆悲しんでいます
菊池は作家のみならず画家への支援も惜しまなかった。
岩田はじっとこの深い悲しみに堪えていくと語った。