小林慎一 16年3月20日放送
奇跡が生んだ奇跡篇
サヴァン症候群の天才ピアニスト、レスリー・レムケ。
生まれつき脳に障害があり
言語障害と記憶障害を抱え盲目だった。
しかし、レスリーは一度聴いた音楽を
完璧に演奏することができた。
歩けるようになったのは15才だったが
22才で初のコンサートを行った。
既存の曲はもちろん、自ら作曲した曲を弾き、
即興で演奏し、そして、歌った。
世界中をコンサートで周り
日本でも26都市でコンサートを行っている。
レスリーが36才のとき。
80才をこえた育ての親のメイは
アルツハイマー病にかかっていた。
重い障害をもつレスリーに深い愛情を注いでくれたメイは
もうレスリーに語りかけることはなかった。
ある日、レスリーは母のためにピアノを弾いた。
しかし、メイは感情を表すことはなかった。
それでもレスリーはピアノを引き続けた。
すると、メイは両手を上げ、胸の前で手を合わせ、
レスリーとともに歌い始めた。
身振り手振りは次第に大きくなり
歌い終わるとメイはレスリーを見て微笑んだ。