小林慎一 16年3月20日放送
Steel Wool
完璧な引き出し篇
サヴァン症候群の天才建築画家
スティーブン・ウィルシャー。
彼は、重い自閉症を患い
人と決してコミュニケーションをとろうとしなかったが
絵を描くという才能が
彼に世界とのつながりをもたらした。
スティーブンは、外出すら嫌がっていた。
しかし、13才で画集が出版され、
イギリスで一番有名なアーティストになると、
やがて、絵を描くために1人で街を出歩くようになった。
ウィルシャーの特殊能力は「直感像記憶」と言われる。
一度見た風景の記憶が脳内に正確にストックされ
いつでも正確に取り出すことができる。
例えば、都市を短時間ヘリコプターで飛び
記憶だけを頼りに街全体をパノラマで描く。
ロンドン、ローマ、香港、フランクフルト、マドリーなどの都市が
巨大なカンバスに再現された。
2005年には東京上空を20分飛行し、
東京のパノラマを10メートルのキャンバスに描いた。
建物の数はもちろん、窓の数も正確に。
ウィルシャーは過去20年間で訪れた
10カ国以上の都市の風景をすべて正確に記憶し
いつでも描き起こせるという。