佐藤延夫 16年4月2日放送
和菓子の源流/ういろうと陳宗敬
日本の菓子の中でも、
その発祥にさまざまな説が残っているのは、ういろうだ。
鎌倉時代初期、元から渡来した陳宗敬(ちんそうけい)という人が、ある薬を伝えた。
ところがその薬の名前が難しく、誰も覚えられない。
陳宗敬の役職が、礼部員外郎(れいぶいんがいろう)だったことから
それが転じて「外郎(ういろう)」と呼ばれるようになったそうだ。
当時、彼が伝えたお菓子もまた名前が定かではなく、
こちらも同じく「外郎(ういろう)」という。
もともとは黒砂糖で作られており、薬の外郎と色が似ていたから
同じ名前をつけたと言われている。
名古屋、山口、三重などで名物になっているものの
最初に商品化されたのは京都だという。
陳宗敬さん。あなたの伝えたものは、
調べれば調べるほど、不思議なお菓子になっています。