熊埜御堂由香 16年5月29日放送
strollers
ペットのはなし 古川日出男とカラス
独創的な文体とストーリーテリングで人気の作家、古川日出男。
彼の小説にはよく動物たちが登場する。
その中でもひときわ異彩を放つのが
ひとの言葉を理解する、カラスのクロイだ。
主人公の肩にのり東京の飼いならされたカラスを
鋭い目で見つめる。
古川自身が、東京の街を歩き回り、
カラスの排除問題に疑問をもったことから
インスピレーションを得た。
人間の出すゴミに群がるカラス。そしてそれを排除する人間。
カラスは、東京という街に飼われている
もっとも悲しいペットとも言えるのかもしれない。
古川は小説を書く時の気持ちをこう表現している。
人に読ませよう、
でもあらゆる動物たちのためにも書こうと思いますね。