佐藤延夫 16年5月1日放送
ダンディズムとは オスカー・ワイルド
有名でなければ、悪名として名をあげたい。
そう考えていたのは、オックスフォードを卒業したばかりの
オスカー・ワイルドだった。
社交界でもその奇抜なファッションで視線を集めた。
ベルベットの上着、膝丈のズボン、サテン地のタイは鮮やかなグリーン。
それは黒に画一化されたフォーマルなファッションへのあてつけであり、
彼らしい反逆のダンディズムと言える。
詩人であり作家でもあったオスカー・ワイルドは、たくさんの言葉を残している。
「自分らしくあれ。他の人の席はすでに埋まっているのだから。」
「流行とは見るに堪えないほど醜いので、半年ごとに変えなければならない。」
19世紀イギリス最後のダンディズムは、
寡黙ではない。雄弁すぎるほど、言葉を刻む。