佐藤理人 16年5月7日放送
あゝ無駄遣い 「城とワーグナー」
1864年、ルートヴィヒ2世が即位すると、
バイエルン国民は美男の国王の誕生を
心から喜んだ。
しかし彼の興味は政治ではなく、
城とワーグナーだった。
タンホイザー。ローエングリン。
オペラのような暮らしを夢見て、
おとぎ話さながらの城をいくつも建設した。
1886年に浪費を理由に逮捕されるまで、
22年間も空想の世界に生き続けた。
逮捕の翌日、幽閉先の城近くにある湖で、
彼は溺死体となって発見される。
事故か、自殺か、暗殺か。
その真相はまだ明らかになっていない。
現在、彼が建設したノイヴァンシュタイン城は、
バイエルン地方で最も人気のある
観光スポットとなっている。