小林慎一 16年5月15日放送
フェルマーの最終定理 つながる2つの世界
アンドリュー・ワイズは
10歳の時にミルトン通りにある小さな図書館で
フェルマーの最終定理に出会った。
彼はすぐさま、証明に取りかかったが
もちろん正解は得られなかった。
それから30年後。
ワイズは、ケンブリッジのニュートン研究所で、
チョークを走らせている。
聴衆は歴史的瞬間に立ち会えると緊張し、興奮していた。
3枚ある黒板がすべて数式で埋まり、
最初の一枚が消され、また、数式で埋まった。
最後の一行を書くとワイズはチョークを置いてこう言った。
「ここで終わりにしたいと思います」
ワイズの証明は論文にすると200ページあった。
そこには、あらゆる分野の古典から最新の数学が
駆使され深められていた。
ワイズの論文を読んだ数学者は言った。
数学者は各々バラバラに目標をたて研究をしていたが、
実は、みなフェルマーの最終定理に取り組んでいたんだ。