渋谷三紀 16年5月21日放送
あのひとの好物 清少納言
ちかごろブームのかき氷。
実は千年以上も前から、
日本女性を夢中にさせていた。
あてなるもの
削り氷にあまづら入れて
新しき金鋺に入れたる
清少納言は枕草子に、
あてなるもの、つまり、雅なものとして、
水晶や藤の花とともに、
シロップがけのかき氷を挙げている。
氷など、たやすく手にできなかった時代。
キラキラまばゆい輝きも、
ひんやりと口に広がる甘みも、
一瞬でとけゆく儚さも。
いまとは比べ物にならないほど、
美しく映っていたにちがいない。