蛭田瑞穂 16年5月22日放送
東京 東京駅
東京の玄関口、東京駅。
設計を手がけたのは建築家辰野金吾。
赤レンガを積み上げた中に、白い石を帯状に配置する美しいデザインは
ビクトリアン・ゴシックに影響を受けたもので、
辰野式建築として知られている。
建築と美について、辰野は弟子にこんな言葉を残している。
およそ建築は一面において芸術であり、
他面において構造を研究する学問である。
構造の方は数理でおしていくから解決に難くないが、
芸術方面は理屈ではいかぬから難しい。
今日の建築の欠点は芸術方面が遅れていることである。
諸君はこの点に注意せねばならぬ。