大友美有紀 16年8月7日放送

160807-061

世界で愛された日本人 八田輿一

台湾南部、台南市に八田輿一記念公園がある。
日本が台湾を統治していた時代、烏山頭(うさんとう)ダムの
建設を指揮し、周辺の台南地域を豊かな農業地帯に変えた土木技師だ。
当時、台湾南部の嘉南平野は香川県ほどの広大な土地であったが、
雨は周囲の河川から海まで流れ出てしまい、この地を潤すことはなかった。
八田は、ダムを建設し平野全体に給排水路を巡らせようと計画した。
日本の国庫補助を得、地元から資金を集め着工した。
アメリカから最新のスチームショベルも買い入れた。
しかしアメリカから来た技師は、現場に使い方を一切教えない。
八田は現場を叱咤激励した。

 とにかく使い方を覚えてしまってアメリカ人の
 鼻を明かしてやろう。

 
現場に家族ともども住み込み働いた。
工事の期間中には大きな事故もあった。
八田は、遺族のお見舞いに奔走し、台湾式の弔意を示した。
八田の熱意は工事を動かしていた。
ダム完成後、八田の銅像が作られる。
日中戦争当時、銅像は金属供出対象になったが、こつ然と消えてしまった。
今、記念講演にはその銅像がある。
彼を慕う誰かが、守ったのだろう。

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