永久眞規 16年8月13日放送
aes256
昆虫採集 養老孟司
夏を彩るセミの声。
その声が年々減っていることに
気を留める人は、どれほどいるのだろう。
現代人にとって虫はいないも同然になった、
と憂うのは脳科学者の養老孟司。
虫好きとしても知られる彼は、
人々がそんな小さな生命に
思いを寄せるきっかけになればと、
鎌倉の建長寺に「虫塚」をつくった。
毎年6月4日の「虫の日」には
昆虫採集家たちが集まり、
虫を供養する法要が営まれている。
たかが虫に、と思うだろうか。
けれど、騒々しいセミの声が聞こえない夏が
どれほど味気のないものになるか想像してみてほしい。
私たちは虫の音で季節を感じ、
虫を通して自然と共生してきたのだ。