藤本宗将 16年8月13日放送
昆虫採集 南方熊楠
博物学者、南方熊楠。
「歩く百科事典」とも呼ばれた彼の知識欲は、
少年時代から旺盛だった。
ただし学校の勉強はあまり熱心ではなく、
野山を歩き回っては
昆虫や植物の採集に没頭。
たとえ通学途中でも
気になる生き物を見つけると
その場で弁当を食べてしまい、
空になった弁当箱につめていたという。
海外で学者として認められたあとも
熊楠は再び故郷和歌山の野山に戻り、
多くの標本を残している。
人々が気にもとめない
ちいさな生命を見つめ続け、
あらゆる知識を「採集」しつづけた熊楠は
どのような結論に至ったのか。
それは、こんな短い言葉に込められている。
「世界に不要のものなし」