森由里佳 16年10月9日放送
飛ぶ 飛行艇乗りのポルコ・ロッソ
ジブリ作品「紅の豚」には、
飛行艇乗りの主人公、
ポルコ・ロッソの有名な台詞がある。
「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ。」
誤解されて覚えられていることも多いこのセリフ。
飛べない豚ではなく、飛ばない豚である。
たった一文字の違いだが、その差は大きい。
これは、飛べる・飛べないという、能力の話ではない。
存在意義の話だからだ。
「飛行艇乗りのポルコ・ロッソ」は、
飛んでこその「飛行艇乗りのポルコ・ロッソ」。
そう考えると、宮崎駿が
アニメ制作者のことをこう語るのも、うなずける。
全部、アニメーションに吸い取られてしまった人間。
ポルコにとっての、飛ぶこと。
それは宮崎駿にとっての、アニメ制作だ。
あなたの「飛ぶ」は、なんですか?