礒部建多 16年10月23日放送
泣く女
「私にとって、彼女は泣く女だった。」
パブロ・ピカソの愛人、
ドラ・マールをモデルとした作品「泣く女」。
感情を露にし、
大声で泣き、怒る彼女を、
ピカソはこよなく愛した。
その姿に、ピカソはインスピレーションを受けた。
拷問のような姿のまま、彼女を描いた時もあった。
絵が完成し間もなくして、
ピカソは新しい愛人をつくる。
捨てられたドラの精神は、確実に狂っていった。
心の無い言動に向けられる数々の批判に、
ピカソはこう答えた。
「女は、苦しむ機械なのだから。」