佐藤延夫 16年11月5日放送
滝沢路
江戸後期の読本作者、曲亭馬琴。
彼の息子に嫁いだのは、滝沢路という医者の娘だった。
舅は気難しく、姑はヒステリック。
虚弱体質な夫は、路が三十歳のときに病死する。
このころ馬琴は失明をしており、
助手を勤めていた夫のかわりに
路がその役を一手に引き受けることになる。
もちろん読み書きが得意なわけではない。
馬琴が口述し、路がそれを必死に書き写す。
そんな暮らしが八ヶ月も続き、
南総里見八犬伝を完成させた。
今日11月5日は、縁結びの日。
意外な縁が、歴史をつくる。