川野康之 17年4月22日放送
百人一首の日その3 権中納言敦忠
歌びと、権中納言敦忠。
歌人にして琵琶の名手。美貌の持ち主。
若き敦忠は恋というものがおもしろくてしかたない。
人はなぜ人を好きになると苦しいのか。
苦しいのになぜ恋をするのか。
恋は不思議。
人間って不思議。
ある朝、敦忠はこんな歌を作って、今逢ったばかりの恋人に送った。
やっと君を僕のものにしたというのになぜだろう。
苦しいんだ。君を得たいと苦しんでいたときよりももっと。
逢ひ見ての後の心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり
まるで初期のビートルズのように純情です。
藤原定家が選んだ100人とその歌、百人一首。