厚焼玉子 17年5月13日放送
the justified sinner
5月の花 マロニエ
マロニエの花は5月に咲く。
マロニエは5月の季語でもある。
「アンネの日記」を書いたアンネ・フランクは
ナチスに追われて一家で避難したアムステルダムの隠れ家の窓から
一本のマロニエの木を見つめていた。
毎日息をひそめ、外へも出られない生活のなかで
マロニエは季節の変化を教えてくれる大事な友だちだった。
マロニエはやがて
アンネ・フランクの木と呼ばれるようになった。
2010年、年老いて半ば立ち枯れていたマロニエは
強風で倒れてしまった。
けれども、その苗木は世界各地に送られ、
平和の象徴として大事に育てられている。