村山覚 17年5月20日放送
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計量の話 舞の海
きょうは、メートル条約が結ばれた「世界計量記念日」。
数センチメートルの差に泣き、それを克服した男のお話。
ときは平成元年。大学の相撲部で活躍していた小柄な男が
大相撲の新弟子検査にのぞんだ。規定の身長よりも背が
低かったので、鬢付け油を頭の上で固めて身長計にのった。
しかし、暑さで油が溶け、規定に達しなかったため不合格…。
翌年、その男は頭にシリコーンを埋めて、見事合格する。
そこまでやるかという声もあったが、
相撲への情熱は誰よりも強かった。
彼の名は、舞の海。のちに「平成の牛若丸」「技のデパート」
と呼ばれ、体重が2倍も3倍もある小錦や曙といった
巨漢の力士とも張り合った。
大きい力士も小さい力士と組むのは怖いんですよ。
どんな相撲をされるか分からないから。
男の情熱、そして巧みな戦術を、数字で計ることはできない。