三島邦彦 17年7月15日放送
Sam Soffes
瞑想、あるいはスタイル 村上春樹
映画監督デイヴィッド・リンチが
瞑想によって内なる世界へ
深く潜りアイデアを得るというように、
小説を書くときの精神状態を
井戸や地下室に例える村上春樹もまた、
「深く潜る人」に他ならない。
1982年、インタビューを受けた村上春樹は
小説を書く上で大切にしていることについてこう語った。
ボクの場合、なるたけ、思いを減らそうとしてるのね。
なるたけ文体から始めようと思ってる。
それから35年後、
2017年の村上春樹はこう語る。
僕にとっては文体がほとんどいちばん重要だと思う。
英語で文体はスタイル。
35年に及ぶ深い探求と一貫したスタイルが
村上春樹と読者の間の信頼関係を作っている。