四宮拓真 17年8月20日放送
タヒチ × ポール・ゴーギャン
フランス後期印象派の巨匠、ポール・ゴーギャン。
パリの文明社会に疲れた彼は、南太平洋のタヒチに渡り、
原始の自然とそこで暮らす人間を描いた。
タヒチを「美と自由の国」と称賛したゴーギャンだったが、
現地での生活はそのイメージ通りにはいかず、苦しいものだった。
最愛の娘を亡くし、徐々に健康状態も悪化していったが、
それでも彼は、島から離れることはしなかった。
「最後の楽園」を求めて島を転々とし、
タヒチから1500キロ離れた小さな島で、誰にも看取られることなく、
54歳でその生涯を終えた。
最後に手掛けた大作のタイトルが、あの有名な一説である。
われわれはどこからきたのか
われわれはなにものか
われわれはどこへいくのか
ゴーギャンの魂は、いまだ楽園を探しているのかもしれない。