佐藤日登美 17年9月17日放送
franzconde
美味なるイタリア料理 カルパッチョが生まれた店
ヴェネチア、サンマルコ広場近くに佇むハリーズ・バー。
創業者であるジュゼッペ・チプリアーニは接客の天才だった。
1950年のある日、ハリーズ・バーに常連客の伯爵夫人が訪れた。
彼女は体調を崩したため、
医者から加熱調理した肉を控えるように言われていた。
そんな彼女のために、チプリアーニは特別メニューを作った。
生の仔牛のフィレ肉を薄くそぎ、
その上にレモン果汁とマスタードを加えたマヨネーズソースを
美しくふりかける。
赤い生肉と白いソースの彩りが、
当時活躍していた画家、ヴィットーレ・カルパッチョの作風を思わせ、
その料理は「カルパッチョ」と命名された。
接客の天才は、
料理のアイディアも抜群らしい。