大友美有紀 17年11月5日放送
inefekt69
「猫は一生の伴侶/大佛次郎」スイッチョ猫
私は物など書かないで
ネコのように怠けて日だまりで寝ていたい。
文筆家・大佛次郎は、
若い時分からネコになることを望んでいたという。
別に書きたいものなく筆を執っていたともいう。
自分の一代の傑作は、ほんとうは終戦後に書いた
「スイッチョ猫」という童話だと。
子猫が庭で遊んで、あくびをしたら、
虫がとびこんでしまい、しばらくお腹の中で鳴くお話。
一緒に暮らす猫を見ている間にできた。
うずくまっているねこを見まもっていて、
かれが今、何を考えているのか
人間のわたくしが想像すると楽しいのでした。
「スイッチョ猫」は珍しく、書いたものではなく
生まれたものだったと言った。