中村直史の「五島のはなし」46
もし五島を訪れる人がいたら、
ぜひこの場所にも行ってほしいのが
「堂崎天主堂」です。
五島には教会がたくさんあって
それぞれに見る価値があるものばかりなのですが、
堂崎天主堂は個人的になじみが深いため
ちょっとした思い入れがあります。
まず、まわりの景色がいい。
とっても穏やかな入り江の端っこのところに建っていて
ちょっと他では見られない風景です。
教会をはさんで入り江と反対側にも
すぐ海が開けていて、ここがまた見晴らしがいい。
海岸の石をめくるとタコがいたりします。
そして堂崎天主堂。
現在は、隠れキリシタンにまつわる資料館となっており、
観音様に似せたマリア像や祈祷文など
貴重なものが見られます。
大人になって初めてそれらをじっくり見たのですが、衝撃でした。
バカみたいな言い方になりますが
一言で言うと「信仰ってすごい」でしょうか。
建物の中につまった濃密である意味強烈な時間の流れと
建物の外に広がるあまりにのんびりした風景のギャップが、
なんかこう、五島だなあ、という感じなのです。
マリア観音や隠し十字架の文様などは有名ですよね。
それにしても、のどかな五島にも堂々といかめしい建物があるんですね。
岩合さんの「日本の猫」という写真集にも
この教会(をバックに撮られた猫)が出ていました。
・・・ような気がします。