大友美有紀 17年12月3日放送
Epistola8
「失踪までとその後」アガサ・クリスティー その後
ヒステリー性遁走。アガサの失踪を当時の医者は、そう診断した。
このうえない幸福のあとに訪れた、抱えきれない絶望。
自伝には失踪のことは書かれていない。
かわりに
自分の一生であった旅のことを振り返ってみるとしたら、
自分のきらいな記憶を無視する資格があるものだろうか?
それとも卑怯だろうか?
という一節がある。
何年かのち、アガサは、初めてオリエント急行の旅に出る。
気分を変え、再出発するために。
そして、この旅で2度目の夫となる考古学者の
マックス・マローワンと出会うのだ。