福宿桃香 17年12月16日放送
電話のはなし エリシャ・グレイ
グラハム・ベルによる電話の発明。
この歴史的な大発明が、
盗作だったかもしれないことをご存知だろうか。
ベルが電磁石を利用した電話機のアイディアで特許を申請した2時間後、
エリシャ・グレイという電気技師が、
液体をつかった電話機の特許を出願していた。
特許を取得したのは、申請の早かったベル。
ところがその後、彼が通話を成功させたのは、
グレイが考案したはずの液体型のモデルだったのだ。
真の発明家の座を巡って何度も裁判が行われたが、
結局グレイは、その名誉を手にすることのないまま亡くなった。
彼の死後、遺品からはこのようなメモが見つかっている。
電話の歴史が完全な形で書かれることは決してないだろう。
その一部は、唇を閉ざされた一握りの者たちの良心の中に眠り続ける。