河田紗弥 17年12月17日放送
文房具のあれこれ 〜チョーク〜
誰もが一度は手にしたことがあるであろう「チョーク」
これらが何でできているかを、ご存知だろうか。
チョークは、かつて海に浮かび暮らしていた「コッコリス」という
小さな丸い生き物の死骸が、海底に沈み、
何千年もかけ積み重なったものが材料となっている。
世界で初めて顕微鏡でチョークを観察した博物学者の
トーマス・ハクスリーは、こう語っている。
「何の変哲も無い1本のチョークを握り、その中にある微小な構造を
注意深く見つめてみると分かることがあります。
それは、南イングランドの平野がかつては今の状態とは異なり、
浅い海の下にあったこと。
そして、小さな生き物たち、
まさに今あなたの手の中にあるもので溢れていたということです。」
そして彼は続けた。
「近年になって、大地が上昇し、海水は蒸発しました。
そして今あなたの目の前にあるチョークは、今となっては姿を消した
化石化された古代世界の証拠なのです」と。