河田紗弥 18年4月22日放送
美しさのひみつ 〜美艶仙女香〜
「色の白いは、七難隠す」
江戸時代、色白が美人の第一条件だった。
当時、白粉には、鉛白粉が使われ、
水で溶いて手や刷毛でつけていた。
中でも有名だったのは、
江戸後期に発売された「美艶仙女香」
川柳に「仙女香やたら顔出す本の端」と読まれるほど、
草双紙や浮世絵の
あらゆるところに「美艶仙女香」の文字が多く見られる。
どうして、そんなPRが可能だったのか。
それは、この「美艶仙女香」の販売元が
絵入りの小説類の検閲を行う名主のひとり
和田源七だったからと言われている。
つまり、版元や作者、絵師に無言の圧力をかけられる立場を利用し、
作品のなかにタダで広告を入れたと想像できるのだ。
こうして、多くの民衆の目に触れるようになった「美艶仙女香」は、
あっという間に、江戸で話題の化粧品となった。