佐藤理人 18年5月19日放送
意外な発明 「ケンベレンのチェス人形」
1769年のウィーンで不思議なからくり人形が生まれた。
作ったのはウォルフガング・フォン・ケンベレン男爵。
人形はトルコ人の格好をしたチェスの名手で、
エカテリーナ女帝やナポレオンなど、
ヨーロッパの王侯貴族をことごとく打ち負かした。
毎回試合の前に男爵は人形の前の箱を開け、
歯車など中の機械をすべて見せた。
しかし実際はその奥に小柄な人が隠れていて、
チェス盤の下から駒を操作していたのだった。
1804年に男爵が亡くなるまで
トリックは見破られなかった。