大友美有紀 18年6月3日放送
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「安野光雅」 アントニ・タピエス
絵本作家・安野光雅は、
友だちに「君はタピエスのようなところがある」と言われたことがある。
そして見たこともないタピエスにあこがれた。
アントニ・タピエス。スペインの抽象表現主義の画家だ。
安野は、後年「旅の絵本」を描きにスペインを訪れた際、
無理を承知でお願いしたところ、タピエスに会うことがかなった。
玄関を入ると江戸時代の書や仏像が飾ってある。
タピエスは、岡倉覚三を知っているかと聞く。
安野は飛び上がった。彼も岡倉覚三、「茶の本」が大好きだった。
修学旅行の学生のようになって、
画用紙を取り出して、
サインをしてはもらえないかと申し出た。
タピエスは日本の筆と墨でサインをした。
安野はそれを大切にしている。
お互いに惹きあう運命だったのかもしれない。