熊埜御堂由香 18年10月28日放送
Photo by chensiyuan
パンダのはなし 野生への夢
ガラス越しに数匹の動向をじっと見守る、
動物園の人気者、ジャイアントパンダと私たちはそんな風に接してきた。
けれど、もともとは四川省の山岳地帯の野生動物で、
今でも、四川省には、野生化を目指す研究基地が数多くある。
そのひとつ、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は
1987年に設立された。始まりは6頭のパンダだった。
1970年代、野生の生息地である山脈の竹の葉が突然枯れる事態が相次ぎ、
10年間で250頭が餓死するという危機がおこった。
そんな中、成都市は63頭のパンダを救出し、食事を与え野生へと戻した。
しかし、体調的に戻すことができなかった6頭の野生パンダの人工飼育から、
この施設はスタートした。
現在まで、一度も野生のジャイアントパンダを捕獲しない状況で
繁殖を続けてきた。
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地には、
今では200頭以上が生活し、
たくさんの子パンダたちが、まるで子犬のように、
じゃれあう姿も見ることができる。
その愛らしさから、世界中から観光客も多く訪れる。
その収益は、野生に帰りたいという
ジャイアントパンダたちの夢を叶えるために使われている。