澁江俊一 18年12月9日放送
江戸の雪だるま
日本は雪の多い国。
日本人と雪には
昔から深いつながりがある。
江戸時代の雪だるまの形をご存じだろうか?
描いたのは江戸後期の浮世絵師、
歌川広景(うたがわひろかげ)。
これはとても貴重な文化資料だ。
その雪だるま、
人の背丈よりかなり大きく
あの赤いだるまと同じ形。
顔の前には魚などの
お供え物が置かれている。
どうやら縁起物だったようだ。
江戸時代の浮世絵には他にも
雪で大きなガマ蛙や仔犬を
つくる様子も描かれている。
子どもだけではなく
大人たちも楽しそうに
雪の中を動き回っている。
いつか溶けてなくなる雪で
愛らしい形をつくりだす。
雪と遊ぶ日本の粋な心がここにある。