熊埜御堂由香 18年12月23日放送
愛のことば 愛の教科書
1956年に出版されてから、
世界中で読み継がれている愛の教科書がある。
ドイツの哲学者、エーリッヒ・フロムの「愛するということ」。
愛とは、修練で身につける技術であるとフロムは説き、
「他者を愛する」能力を身につける方法が体系的に記されている。
フロムはこう問いかける。
人々が愛を軽く見ているわけではない。
それどころか誰もが愛に飢えている。
ところが、愛について学ばなければならないことがあると考えている
人はほとんどいない。
その上で、こんな厳しい言葉を投げかけてくる。
愛というものは簡単に浸れるような感情ではない。
真の意味で人を愛するには、
自分の人格を発達させ、全力で努力しなければならない。
つまり、大事なのは、
愛されること、愛を受け取ることばかり求めるのではなく、
愛すること、愛を与えることをまず考えること。
何度読み返しても難しいけれど、
クリスマスの直前に、
フロムの教科書をもう一度、復習してみようか。