大友美有紀 19年1月6日放送
アルバトロス
「雪国の暮らし」雁風呂
春の季語に「雁風呂」という言葉があります。
青森の外ヶ浜あたりでは、雁が北へ帰るころ、
落ちている小枝を拾い集めて、風呂を沸かし、
旅人や地元の人が入ったといいます。
雁は、海を越えるとき小枝をくわえて飛び、
休むときは小枝を浮かべて、
その上に留ると言われています。
浜についたら、小枝を落として、内陸に向かいます。
春には、落としておいた小枝をくわえて帰っていきます。
浜に残った小枝は、内陸で命を落とした雁のものと
考えられていました。
雁風呂は、なくなった雁の供養のために立てるのです。
過酷な自然に立ち向かう姿に、
雪国の厳しい暮らしを重ねていたのかもしれません。