永久眞規 19年3月9日放送
切手のはなし 世界初の切手
世界で唯一、
切手に国名を書いていない国がある。
それは、世界で初めて
切手を採用した国、イギリスだ。
その昔、郵便料金は現在よりもかなり高額で、
さらには着払い方式だった。
そのため郵便物の受け取りを拒否する人も多かったそうだ。
19世紀前半のイギリス。
税制研究家のローランド・ヒルが郵便制度を改革した。
差出人が料金を払うプリペイド方式を提唱し、
郵便物の表には小さな支払い証明書が貼り付けられた。
それこそが、世界初の切手「ペニー・ブラック」。
1840年のことである。
180年近く経った今でも、
イギリスが国名のない切手を使用しているのは、
世界初という誇りを示しているのかもしれない。