河田紗弥 19年3月17日放送
ちいさなフルコース 幕の内弁当
江戸時代、庶民の間で人気だったのが、芝居見物。
当時の芝居は、朝から晩までの長時間娯楽であった。
そのため、芝居の間の“幕の内”に食べるお弁当のことを
「幕の内弁当」と呼ぶようになった。
幕の内弁当のご飯に俵形のおにぎりが多いのも、
狭い場所でも、短時間で食べやすいようにという意味が込められている。
そう、歌舞伎見物の楽しみは
「か・べ・す」と言われていた。
菓子・弁当・寿司、のことだ。
歌舞伎をつまみに、飲んだり食べたり、
自由気ままに楽しんでいたんだとか。
そんな観客の様子を見て、
「なあに、客が飲んだり食べたりするのを忘れるくれえ、
うまい芝居をして見せてやらあ!」と
役者たちも張り切っていたようだ。