野村隆文 19年4月13日放送
喫茶店の話 〜カップの向き〜
喫茶店で、運ばれてきたコーヒー。
そのカップの取手は、右と左、どちらに向いているだろうか。
右に向いていると、ブラックがすぐに飲める。
「アメリカ式」と呼ばれる、合理的なセッティング。
一方、左に向いていると、左手で取手を抑えられる。
そうすると、右手で砂糖やミルクを入れ、スプーンで混ぜやすい。
「イギリス式」と呼ばれるのは、紅茶の文化が根付いているからだろうか。
左利きだと話は変わるし、
どちらが正解、というわけでもない。
ただそこには、
おいしいコーヒーを、できるだけ気持ちよく楽しんでほしいという、
ささやかな心遣いが見え隠れしている。