古居利康 19年5月25日放送


Norio.NAKAYAMA
英一蝶・島一蝶

江戸の人気絵師、
英一蝶は島流しに遭った。

島にいても絵をあきらめなかった。

江戸の友人たちに
絵の具の仕送りを頼んだらしい。
流人であっても、手紙や物資のやりとりは
許されたのだろうか。
一蝶は絵を江戸に送った。
その絵は珍重され、高値で取引された。

島の人にも観音様や天神様の絵を進呈した。
この時代の英一蝶の作品は
のちに「島一蝶(しまいっちょう)」と呼ばれるようになる。

島一蝶の作品で財を成したのか、
英一蝶は罪人の身でありながら島の娘と
所帯をもって、子どもを二人ももうけた。

江戸の人気絵師は、
ころんでもただでは起きない、
したたかな男だった。

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