野村隆文 19年9月15日放送
Hase-don
未知なるメキシコ メキシコの映画(1)
『ゼロ・グラビティ』、『バードマン』、そして『シェイプ・オブ・ウォーター』。
ここ数年、アカデミー賞を席感してきたこれらの映画の監督が、
全員メキシコ出身だということをご存知だろうか。
キュアロン、イニャリトゥ、そしてデル・トロ。
彼らが青春時代を過ごした80-90年代のメキシコは、
厳しい政治的規制の真っ只中。
それでも自らの信じる表現をつくるために、
ハリウッドを目指し、移民としてアメリカに渡った。
アカデミー作品賞を受賞したとき、デル・トロはスピーチでこう語った。
「芸術や映画が偉大なのは、砂の上に書かれた境界線を消してくれるから」。
映画の力は、国境を軽やかに越えていったのだ。