石橋涼子 19年10月27日放送
松岡明芳
銀座のはなし 銀座と能
銀座の楽しみと言えば、ショッピングやグルメに加えて
伝統芸能ではないだろうか。
特に古典芸能のひとつである能は、銀座に縁が深い。
能は、室町時代から武士の嗜みとして保護されたが、
徳川家康が特に好んだことでも知られている。
家康は、人質として今川家に預けられていた幼少時に
観世流の稽古を受け、親しんでいたという。
足軽から出世すると共に能を学んだ秀吉とは、
思い入れの性質が異なったかもしれない。
江戸幕府を開くとすぐに
駿府にいた能役者たちを大勢呼び寄せ、
銀座に屋敷を与えて住まわせた。
観世流の屋敷は銀座2丁目付近にあったと言い、
金春(こんぱる)流の屋敷は8丁目付近に位置した。
観世能楽堂は長らく渋谷に移転していたが、
2017年、150年ぶりに銀座へ戻った。