澁江俊一 19年12月15日放送
鍋ルネッサンス
冬といえば、あたたかい鍋。
日本の鍋料理が花開いたのは江戸時代。
まさに鍋ルネッサンスが起きた。
どじょう、まぐろ、あんこう、
すっぽん、ナマズ、穴子、白魚、ふぐ、
イノシシに、鹿、しゃも、雉・・・
鍋の百花繚乱。
様々な鍋の店が江戸じゅうに軒を並べた。
鍋が一気に広がった理由は「ひとり鍋」。
火鉢や七輪が普及した江戸時代は
底の浅い鍋で、ひとりで食べるのが主流だった。
寒い夜。
大好きな具を煮込んだ鍋を
独り占めする喜びは、
人間が味わえる幸福の中でも
最高に近いものでは、ないだろうか。