森由里佳 20年1月12日放送
和服 呉服屋
三越が呉服屋から始まったというのは有名な話だが、
呉服を一般の人びとに広めたのも三越だ。
「店前現銀無掛値」(たなさきげんきんかけねなし)
これは三越が1683年に掲げたスローガン。
きちんと店頭で、定価で売りますよ、という意味だ。
当時、決まった値段は示されず、
裕福な人間しか購入できなかった呉服。
そんな中、三越は価格を抑え、定価の値札を提示することで、
呉服をふつうの人びとにも開放したのだ。
ちなみに、世界でこの販売方法が始まったのは
アメリカ・フィラデルフィア、1876年。
三越の、およそ200年も後のことである。