蛭田瑞穂 20年4月12日放送
Herman Saksono
パンの話 ささやかだけれど、役に立つこと
アメリカの作家レイモンド・カーヴァーの作品に
『ささやかだけれど、役に立つこと』という短編小説がある。
作中、不慮の事故により悲しみを負った夫婦に、
パン屋の主人がこう語りかける。
何か召し上がらなくちゃいけませんよ。
よかったら、あたしが焼いた温かいロールパンを食べてください。
ちゃんと食べてがんばって生きていかなきゃならんのだから。
こんなときには、ものを食べることです。
それはささやかなことですが、助けになります。
どんな時も、食べることは希望になる。