野村隆文 20年5月24日放送



窓を開けよう 窓辺の人

善も悪も、ようするに人間の内にあるもの
すべてを引き出して際立たせるのが
窓なのである。

都市や建物を研究する建築史家であり、
建築家としても活躍する藤森照信はそう言った。

窓辺に立った人には、額縁に入ったように、
安定感と、格別な気配が生まれるという。

想像するのは、映画のワンシーン。
ラブロマンスでは、窓辺で恋人に想いを馳せ、
サスペンスでは、窓越しに異変がないか目を光らせる。
コメディは、たいてい窓を突き破るし、
ファンタジーは、窓から未知への旅に出る。

窓辺は人の本質を引き出し、
想像力をかき立ててくれるのだ。

家から出られない日曜日。
たまには窓辺に椅子を置いたりして、ゆっくり過ごしてみれば、
あたらしい考えや、今まで知らなかった自分が見つかるかもしれない。

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